魂のタックル

5-81

前半に1名が救急車で搬送。

後半にも1名。

負傷退場も2名。

頭からタックルに激しく突っ込む部員たち。

しかし、この点差が現実だ。


ラグビーという競技はあまりにも残酷に力の差が点数に表れる。

1回戦、40点差の勝利。

2回戦、96点差の勝利。

2試合合計で136点を挙げてきたチームは、自信のかけらを掴んでいた。

しかし、、3回戦。

強豪校を相手に、そのかけらは粉々に消え飛んだ。



試合前、ここまでの努力を評価した。

「いいか、、素質どうあれ、マイナスからのスタートのお前たちがここまできた。

その成長率や努力は一番凄いんだ!」私からの精一杯の褒め言葉だった。

裏を返せば、、

”自分なりの努力”の限界でもある。

現実の社会は残酷なほどの実力社会。

どんな努力をしてきたか、ではなく、何が出来るか。が問われる。

そんな事実を知っていながら、強豪校を相手にする彼らには、その褒め言葉しか言えなかった。


試合中、体重差やスピード差のある相手に果敢に挑んだ部員たち。

負傷者が出るたびに心が締め付けられた。


それでも、最後まで、本当に最後まで死力を尽くして闘った部員たち。


ノーサイドの後、集合した彼らは顔をクチャクチャにして泣いていた。

なかでも、試合当日39度の発熱に苦しんだキャプテンは呆然としながら涙を流していた。



足早に玉川学園グランドを離れ、そのまま合宿へ。

玉川学園の厚意で、大学横にバス2台を停車させてもらって、そのまま合宿へ。

そのバスの中、、私は心から正直に彼らに話かけた。

「お疲れさん。

今日は、、今日の試合は、、本当によく頑張ったよ。

これは本心だ。勝った試合でもあまり褒めたことがないが、今日の試合はベストゲームだよ。

一生懸命、本当に勇気を持ってタックルしていたよ。

ただな、、本音を言うけど、、

厳しくしながら、いじめながら、イヤミを言いながら、、それでも一生懸命、大事に育てたお前たちが、

負傷退場して、壊されていく姿を見るのが、、俺は辛かった、、、」

話しながら、涙が出てきて止まらなかった。

「体つきも、スピードも違ったよな。

怖かっただろう。

それでも、本当によく頑張った!

でも、これが現実だ。

さぁ、、どうする?

下のカテゴリから、初歩の世界から、次の世界に進んだんだ。

厳しい、厳しい世界だよ。

この相手に勝つには、本当に凄まじい努力が必要だ。

どうする?進むか?それとも、ここで止まるか?

これは、真剣にお前たちの意思を聞いている。どちらを選択してもいいんだよ。

今の体つきや、ラグビーに対する気持ちでは、ここが限界だと思うんだ。

試しているのではない。正論な答えを求めているのでもない。考えてくれ判断してくれ。」


その後、私が中学時代の経験を話した。

それは当時、奇しくも明大中野中学校に春大会、0-64で敗戦した日大二中。

悔しくて悔しくて、死ぬ気で励んだ夏合宿。

胃液を吐いて、太陽が3つに見えて、それでも走った。

毎食毎食、丼飯を無我夢中でかきこんだ日々。

悔しさは、反骨心となり、それが苦痛を耐える原動力になった。

その結果、秋は、、同じ学校に6-0で勝利して、そのまま東京都で優勝した。

そんな美談だ。

ただ、それに付け加えも話した。

それは、成功体験を多くしてきた者は、負けることが悔しくて仕方がない。

だから、その悔しさは骨身にしみて記憶する。

臥薪嘗胆だ。

ただ、負け慣れている失敗体験を多くしている者は、負けることになれている。

だから、一瞬悔しくても、それを自然と受け流す、適応機制も働いてしまうという残酷な話。

そう、本校の生徒たちは後者なのである。

だから、様々な失敗や間違いを起こしても、その瞬間は反省して後悔しても、

それが記憶に残らない。経験として残らないことが多い。



バスの中は、物音一つ立たないほど静まりかえっていた。



数時間後、茨城県の鹿島ハイツに到着した。

合宿場所だ。

技術的にもワンランク上がってきた彼らに、少々高かったが人工芝付きの合宿地を用意していた。


夕食の際に、彼らに言った。

「さぁ、どうする?さっきの話だよ。

もう、悔しさも忘れただろう?」

数名がハッとした顔をしていた。

「今日はミーティングはしない。

食事後に、自由練習で、各自入浴。各自就寝。」



20:30

グランドに行ってみると、数名の部員が練習をしていた。

ただ、義務としてグランドの片隅でパス回しをするだけの部員もいた。

IMG_1806.jpg



さて、明日の朝彼らはどんな決断を下すのだろうか。

真剣に、本当に、彼らの判断に従うつもりだ。



今日ほど、悔しい思いをしたことはない。

いや、悲しく、愛おしく、そして、大事な生徒が果敢にタックルする姿は

心の中に焼き付いた。

本当に、本当に、素晴らしい試合だった。


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2014.04.29 | | Comments(0) | Trackback(0) | ラグビー

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